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小林よしのり
2015.3.1 00:39

中西輝政という変節漢について


中西輝政というインチキ学者がいる。

安倍首相のブレーンで、戦後70年談話の有識者の一人である。

 

中西は湾岸戦争のときはリベラルで、アメリカを批判していた。

慰安婦問題がクローズアップされたときは、

知らぬ存ぜぬを決め込んでいた。

「新しい歴史教科書をつくる会」を立ち上げ、その理事の一人に

わしが名を連ねていたときも、賛同者に入っていない。

あのとき必死で賛同者を探していたのだが、知らぬ存ぜぬを

決め込んでいた。

 

ちなみに櫻井よしこも「つくる会」には距離をとっていた。

「薬害エイズ運動」の頃は、櫻井もリベラル気味のジャーナリストで、

慰安婦問題で右旋回し始めたのだが、今ほど自称保守どっぷりの

言論人ではなかった。

 

さて中西輝政が変化したのはイラク戦争からだ。

突然、恐米保守となって、小泉首相のポチぶりを絶賛し、

イラク戦争大賛成になってしまった。

自称保守論壇に貴重がられ、何度も論文を発表するようになり、

ついにそこを自分の安住の地とした。

 

『新戦争論1』で描いているが、イラクでの戦闘行為がほぼ終わった

とき、岡崎久彦と対談して、小林よしのりは泥沼になると言ってたが、

すぐ終わったじゃないかと批判している。

そして岡崎久彦から、あなたも湾岸戦争の頃から成長したねと

褒められている。

 

そして、わしが辞めたあとから、教科書運動にも関わり出し、

自称保守論壇の重鎮になり、現在、安倍政権のブレーンの一人と

成り果てたわけだ。

 

ちなみに櫻井よしこも、わしが辞めたあとから、教科書運動に

名を連ねるようになったから、この二人は、わしとはすれ違いに

なっている。

 

わしは小学生の頃はベトナム戦争を批判し、大人になって

湾岸戦争を批判し、『戦争論』で過去の日米戦争を批判し、

アフガン・イラク戦争を批判し、それこそ幕末からの

アメリカの態度を全部批判している。

一貫していると言えば、これほど一貫していてブレない姿勢は

ないだろう。

 

中西輝政は湾岸戦争の頃の立場を変えなければよかったのだ。

イラク戦争で突然、自称保守・恐米保守になったから、

大量破壊兵器も出てこない、その後のイラクは無秩序化する、

テロは拡大・拡散する、イスラム国が登場する等々で、

アメリカの歴史的失敗が明白になり、中西輝政の筋道が

通らなくなってしまった。

 

そんな人物でも、自称保守論壇は今も中西を重宝し、安倍政権は

有識者として迎え、ご意見拝聴している。

わしはずっと言論人の態度を観察している。

必ず、後世に語り継いでいく。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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